老老介護と三度目の救急車

8月6日月曜日、11時過ぎに、
妻、惠子が、救急車で三田の済生会病院に運ばれた。
 

その日の10時20分のバスに乗り、
お台場のアクアシティに出掛けた。


11時という開店時間を3階のエスカレーター付近で待っていた。


大勢の人が同じく待っている。中国人のような人が多い。


あと7、8分で開店と言うときに、惠子の額から、突然、ポタポタと汗が吹き出し、


みるみる顔色が青くなる。
全身から力が失せて、自力で立ってられなくなる。

私が支えてもダメ。へなへなとしゃがみ込む。どこにも椅子はない。

通路に横たわる。
誰が見てもおかしい状態。救急車、救急車と周囲の人が叫ぶ。

気が動転。焦る。近くにいた人に水を買ってきてと小銭を渡し、依頼する。

水を飲ますと同時に、その冷たいボトルを首筋に当てたり、額に当てたりする。

そうこうしているとガードマンが、騒ぎに気づきどうしましたか、と駆け寄ってくる。


事情がわかったのか、ガードマンが救急車と電話連絡。


歩けないと判断し、車椅子を持ってくる。


 


アクアシティの1階に連れて行かれた。

すでに救急車が来ており、
それに載せられた。

救急隊員にあれこれ事情聴取をうける。


4年ほど前に脳梗塞で、三田の済生会病院に入院したと救急車の隊員に告げる。


すぐさま済生会病院に連絡。そこに向かう。


救急車のベッドで横になっていると、次第に惠子の顔色が戻ってくる。

すると、「家に送ってもらえるんですか。」と、トンデモナイことを言う惠子。


「いえ、とにかく病院に行きます。」と隊員。


済生会病院と連絡をし、そこに向かう。
病院では、医師と看護婦が待機していた。


 
脳梗塞の再発を懸念して、MRIを撮るかと思ったが、それはなかった。

病院の緊急ベッドに寝て、2時間ほど点滴を受ける。


その間、血圧検査、血液検査、レントゲン検査などをした後で、

体調を回復した事を、私にも確認して欲しいと呼びに来る。


 

「はい、もう大丈夫でしょう。気をつけてお帰りください。」


「新たな梗塞を起こているのでは、と心配ですが…?」


「大丈夫でしょう。手足を動かしてみても、その心配はないようです。


こまめに水を飲んでくださいね。」とにこやかに医師。

 


 
4時過ぎに無事帰宅。


妻、72歳。私、70歳。


我が人生において、救急車に乗ったのは、これで4度目。

 
ああ、老老介護のとんでもない月曜日だった。